つり角度について

1. つり角度の影響

つり角度の増加によって玉掛索に掛かる張力は増加する。この張力の増加割合を張力増加係数という。つり角度θ=0°のときの張力を1とすれば、張力増加係数は、下表のようになる。
実作業では60°以内が望ましい。

つり角度
θ
張力増加
係数
つり角度
θ
張力増加
係数
0
1.00
80
1.31
10
1.01
90
1.42
20
1.02
100
1.56
30
1.04
110
1.75
40
1.07
120
2.00
50
1.11
130
2.37
60
1.16
140
2.93
70
1.23
150
3.87

2. つり角度簡易測定法

つり角度θの大略を知るには、つり荷の幅をA、フックから荷までのロープ長さをL、フックから荷までの垂直高さをHとすると、AとL及びHの関係は次のようになる。

θ
30
1.93A
1.87A
60
1.00A
0.87A
90
0.71A
0.50A
120
0.58A
0.29A
(Aが1mのとき、Lが1.93mなら θは30゜Hが0.87mならθは60゜)

主な端末加工の止め方

(1)アイスプライス
(2)圧縮止め
(3)ソケット止め
(4)クリップ止め
端末の止め方 強度効率% 備 考
(1)アイスプライス
75~95
ロープ径 15mm以下 95%
ロープ径 16~26mm 85%
ロープ径 28~38mm 80%
ロープ径 39mm以上 75%
(2)圧縮止め
95
加工不良のものは強度効率が低下
(3)ソケット止め
100
合金又は亜鉛鋳込み法
(4)クリップ止め
80~85
個数及び締付不足のものは50%以下